イタリアという国は、サッカーの世界では守備的な戦術をとる事を伝統としてきた事で知られます。具体的には、「ウノゼロ(1-0という意味)」で勝つ事を美徳とし、先に1点を獲ったらあとはカテナチオと称される堅守で虎の子の1点を守り抜いて勝つという事を続けてきました。
守備能力が高い国内選手は山ほどいるため海外から積極的に獲得する事はなく、点を獲るために必要な前線の選手を海外から積極的に引き抜いてきた歴史をもちます。
そう言った背景がある中、日本で言えば主にトップ下でプレーして得点に絡むプレーが多い中田英寿や中村俊輔が、日本からセリエAのチームに移籍して大活躍しました。
しかし、日本人センターバックのセリエA移籍はなかなか実現せず、誰が第1号になるのか大きな注目が集まっていました。そんな中、Jリーグからの移籍ではありませんが、ベルギーリーグで高い守備能力を披露し続けていた日本代表の富安選手が名門・ボローニャからのオファーを受けます。
そして、2018‐19年シーズン終了後にボローニャへの移籍が成立し、セリエA初の日本人センターバック選手が誕生しました。
ただ現地には高いレベルのセンターバックが沢山いるほか若干20歳という若さもあり、いきなり出場できるのかどうか疑問視されていたところがあります。しかし、富安選手は開幕前からテストマッチで好プレーを連発し、リーグ開幕戦からレギュラーとして活躍し、イタリアメディアから絶賛されました。
そんな富安選手には、セリエA屈指のディフェンダーへと成長していく事、吉田麻也選手が代表から引退してから日本の守備の要として活躍する事が期待されています。