サッカーに限らず、殆どのスポーツにおいて守備と攻撃は切っても切り離せないものです。実際、テレビ等でサッカーを観ていると解説者が「攻守の切り替えが上手い」という表現を使っているのを耳にしたことがある人も多いでしょう。良い守備は良い攻撃を生み、むしろ良い攻撃は良い守備があってこそ初めて成り立つと言っても過言ではありません。サッカーは得点の数で勝敗を決するスポーツですが、素晴らしいゴールの影には必ずと言っていいほど素晴らしい守備があるのです。
守備的選手と言うとまず思い浮かぶのはゴールキーパーですが、ビッグセーブはチームを救い、時として勝利すら手繰り寄せます。また、他に守備的選手としてのポジションにはディフェンダーと守備的ミッドフィールダーが存在し、個々に大切な働きを持ちます。特に日本ではボランチとも称される守備的ミッドフィールダーは、ボールを持った相手との1対1の守備や相手からボールを奪うことなどが主な役割とされ、中盤の守備において非常に重要な役目を担うと共に、攻撃を組み立てる意味でも大事な選手になります。海外リーグを見てみても、バイエルン・ミュンヘンやレアル・マドリードのような強豪と言われるチームほどこうした守備的選手の戦力が極めて高く充実していることがわかります。
鮮やかなドリブルで何人もの選手を抜き去ったり、強烈なロングシュートでゴールを奪ったりする選手は非常にインパクトがありますし、知識がなくても素直に感動できます。しかし、たとえ派手さはなくとも、守備的な選手にも個性を持った選手は多くいるのです。フォワードだけでなく、中盤や最終ラインを支える守備的選手にも注意して観ることで、11人が一体となって戦うサッカーの面白さ・奥深さを知り、観戦の楽しさが大きく膨らむことでしょう。